第8回九州救助犬協会認定審査会の報告


             ~開会式の様子~

NPO法人九州救助犬協会は、平成23年3月26日(土)・27日(日)に認定審査
会を開催しました。晴天に恵まれた今年の認定審査会には、新規認定を目指す
犬とそのハンドラーを含めた27ペアがチャレンジしました。
審査科目は「服従」「平地捜索」「瓦礫捜索」の3科目。それぞれの科目に「ABC」
の判定が下され、3科目全部に「A」ランクが下されると、その犬とハンドラーは
2年間の認定を受け活動することが出来ます。
風も十分にあった「平地捜索」審査。会場外からでも審査中の犬の反応を見学
することが出来ました。どの犬も意欲的にヘルパーを発見していました。


      ~平地捜索中のハンドラーとルナ号~


  ~平地の捜索審査に向かうハンドラーとチェイサー号~

また「瓦礫捜索」審査では、殆どの犬が足場を気にすることなく作業していました。


 ~瓦礫を捜索中のベッキー号!当協会唯一の小型犬!~

認定審査会の合間には、東日本大震災の被災地である宮城県気仙沼市で活動したハンドラーから、被災地での活動・体験を聞くことが出来ました。
改めて震災の規模の大きさを実感すると共に、これからの協会の課題も見えてきました。
被災地では、震災から1ヶ月経った今でも地震が続き、そのような中でも行方不明者捜索が続いています。被災地の復旧もままならず、住民の方々のご苦労を考えると心が痛みます。。。

審査後、審査委員であった開田訓練部長から総評を聞きました。
≪ごく一部のハンドラーに「ヘルパー臭に対する犬への誘導行為」が見られ減点と
しました。また、犬の明らかなヘルパーに対する「反応」に対し、絶妙なタイミングで
上手く褒めて犬の士気を高めることが出来るハンドラーと、それが上手くいかなかったハンドラーがいました。その結果、犬の集中力が欠けてしまいました。
このことは、「風読み」と共に救助犬を作るうえでとても大切なことと考えている為に厳しくチェックし、ハンドラーに説明しました。

10分間という短い審査中に、
いかに犬の意識を高められ、維持させることが出来るか         
走り廻って発見した後に「吠えて知らせる」だけの気力をもたせられるか
絶妙なタイミングで犬を褒めて士気を高められるか      

これらが、九州救助犬協会の求めるハンドラーと救助犬像です。
この認定審査会を受けるにあたっての、最低限のことであると考えています。
何故ならば、「3割が犬、7割が人間」という現場での捜索に結びつく事だからです。会員の皆さんにはそんなハンドラーとなって欲しく、また意欲のある救助犬を
作って欲しいと思っています。
そして、この審査会の上に「SOCT試験」を設けています。条件さえクリアーすれば、会員どなたでも審査を受けることが出来ます。
是非、チャレンジして欲しいと思います!
その為に私達はお手伝いしますので一緒に頑張りましょう。

また、服従科目に関しては、「甘さ」が出てしまった犬及びハンドラーがいたと聞きました。その「甘さ」は「事故の元になり得る」ということを十分に考えて取り組んで欲しいと思っています。≫

総評を聞くと納得出来ますね。Aランクを取れたからと安心せず、さらに技術を
磨いていく必要があると感じました。
そして、今年も審査会の様子が新聞で紹介されました!!


      ~瓦礫を捜索中のハンドラーとチャボ号~

最後になりますが、震災に見舞われた方々に心よりお見舞い申し上げ、お亡くなりになられた方々、そしてそのご家族様に心よりお悔やみ申し上げます。
そして被災地の早期復旧・復興を願い、遠く離れた九州より応援しています。

   
                              ~情報提供かんなママさんより~